
26/06/2025
【生命の循環🌱】
津山市在住の美術家、太田三郎氏が「森の芸術祭 晴れの国・岡山」2024で
監修した食のプロジェクト
「生命(いのち)の雫 柿ゼリー」
「生命の循環」をテーマとしたこの作品には、柿の種が1つ添えられました。
その種をまき、新たな生命(いのち)が芽生えたとの報告が、太田三郎氏から
ありましたので、ご紹介します!
〈太田三郎氏のコメント〉
2024年「森の芸術祭 晴れの国・岡山」において私は衆楽園に作品を展示するかたわら、和菓子の老舗(株式会社くらや)と美作大学の調理師免許を持つ学生と協同して「生命(いのち)の雫 柿ゼリー」の制作にも関わった。パッケージには柿の種が添えられ、購入者は実際に種をまくことができる。単なる食の楽しみを超えて食物の生命の循環や自然との繋がりについて考える作品にしたかった。
まずは私自身が種まきを実践すべきと考え、種を冷蔵庫に保存して休眠から覚まし、取り出して水に半日漬けて吸水させ、「野菜用の土」を入れた鉢に埋めて芽が出るのを待った。3月15日に種をまき、日当たりと風通しがよい場所に置いたものの一向に芽が出ない。半ば諦めかけていたが5月21日になってようやく変化が現れ、28日には柿の種が頭を持ち上げた。残念ながら、この固体は種皮から若葉を広げることができないまま、頭部が欠損して成長は止まった。
12粒まいた柿の種のうち、6月18日現在で発芽したのは5粒、4枚の葉を広げたのは3粒である。他の鉢を時折掘り起こして状態を観察しているが、種は腐敗していないようだから、発芽の可能性はあるのかもしれない。発芽して1年ほどは水をやりながら鉢のまま育て、秋に1mくらいに伸びていれば順調だという。翌年の3月に接ぎ木の台木にするか植え替えや植えつけをして栽培を楽しむのが一般的だ。柿は初結実まで早くて7年程度かかるというから、それまで元気に観察を続けたいものである。
近年、里山に下りた熊が人間と遭遇して死傷者が出たという報道が多い。お腹をすかせた熊たちのために「柿の森」を山奥につくるのはどうだろう。私が育てた柿がその役にたつのなら、ぜひとも提供したい。
#おかやま森芸 #森の芸術祭 #太田三郎