20/11/2024
【開催報告】
11月17日(日)
第2回市民の学び場2024
「アートでおしゃべり」対話型鑑賞プログラムを体験しよう!
を開催しました。
作品鑑賞というと、一人で黙って眺めるイメージを思い浮かべる方が多いかと思います。
しかし、今回は複数で同じ作品を鑑賞し、その作品について語り合う。というより、作品を真ん中に置いて、
「みる・考える・話す・聴く」ことを体験することを主な目的とするワークとしました。
講師には、
吉原和音さん(京都芸術大学アート・コミュニケーション研究センター研究員)
渡川智子さん(京都国立近代美樹幹特定研究員)
のお二人をお招きしました。
お二人は学生時代に、アメリカから日本に「対話型鑑賞」の手法を持ち込んだ
福のり子先生の指導を受けた(なかなかハードだったそうです)教え子だそうです!
驚いたことに、私たちが美術館で作品を見ている平均時間はたったの10秒。
一方で、作品のキャプションを見ている時間は30秒。
作品そのものよりも、その外側の情報を見ている時間のほうが長いというのです。
(でも、実際に美術館を行った時のことを思い返すと…
納得、してしまう方も多いのではないでしょうか。)
それくらい、わたしたちは作品そのものを見つめるのではなく、
その周辺的なものや、自分がこれまで培ってきた枠組みで
物事を見ているのだそうです。
対話型鑑賞は、そんな枠組みを外していくプロセスであり、
渡川さんの言葉をお借りすれば、
「【問い】を生み、作品、他者、自分と向き合い続けるための術」
なのだそうです
参加者は、ペアになり、目隠しをした相手に
お題の絵の説明をする『ブラインド・トーク』や、
3名で組になり役割を入れ替えながら、相手が作品から感じ取ったこと、考えたことを自分の言葉で返し、その理解が合っているかを応答し合う『やくわり対談』
を通してたくさんの【?】を考え、日頃とは違った形で作品に向かい合いました。
番町センターでこのセミナーを開催した狙いは
分かり合えないことを前提にしつつも、対話をすることで
お互いの理解を深めることの大切さを感じてもらいたい
と思ったからです。
きっとこの日の体験が、後からじんわり効いてくるはずです。
大いなる【?】を抱きながら、対話を大切にしていきましょう。
講師のお二人、そして参加してくださった皆さん。
ありがとうございました。お疲れ様でした。
対話型鑑賞・ACOPに関する記事
https://acop.jp/
福のり子先生に関する記事
https://www.museumlab.jp/sense/vol18/no1.html
https://www.asahi.com/articles/ASQ8Q6VHCQ8MOIPE002.html